市販のコロナ検査キットの注意点について

現在、コロナ感染の有無を
調べるためのキットが
インターネット等でも
簡単に入手できるようになりました。

しかし、検査キットの選択が
正しくなかったり、
検査のタイミングを間違うと
誤った結果が出ることがあるので
注意が必要です。

検査の種類について

1.PCR検査

最近はすっかり有名になった
PCR検査ですが、
この検査は口腔内に存在する
ウイルスの遺伝子を
増幅して検出する検査なので、
少量のウイルスでも
検出できる能力があります。

サンプルの採取方法には
鼻腔ぬぐい液と唾液があります。

感染時にコロナウイルスは
鼻咽頭(鼻とのどの境目)で増殖するため
高感度で検出できます。
(インフルエンザの時と同じです)

唾液検査は簡単ですが、
鼻腔ぬぐい液と比較すると、
感度が落ちると言われています。

しかし、鼻腔ぬぐい液を採取する際に
くしゃみなどで医療従事者にも
感染させる可能性があるので
医療機関でも唾液サンプルで
実施することも増えてきました。

いずれにせよ、検査が高感度なため、
まだ感染していなくても、
鼻腔や口腔にウイルスが存在しているだけで
検出される可能性があり

偽陽性が出やすいとも言えます。

また結果が出るまでに1~2日かかります。

2.抗原検査

ウイルスの体の一部(抗原)を
検出する検査です。
PCR検査よりは感度が落ちますが、
30分程度で結果が出る
というメリットがあります。

サンプルは鼻腔ぬぐい液です。

最近はこの抗原検査キットが
ネットでも入手できるようになりました。

しかし、薬機法という法律の関係で
ネットは販売されているものは
診断用ではなく、研究用キットです。

ちなみに厚労省は2021年9月27日に
薬局での医療用抗原検査キット販売を認めました。

キットの信頼性は
メーカーによって様々ですし、
鼻腔ぬぐい液の取り方一つでも
結果が違ってきます。

価格や手軽さだけで判断せず、
検査の仕方やその後のフォローも含めて
きちんと相談できる薬局を選んで
購入されることをお勧めします。

抗原検査を行うときの注意点

1.キットを使うタイミングが重要。
ウイルス検出率は決して高いものではなく、
感染してウイルス量が十分増えてから
でないと検出できません。

つまり、無症状の人が検査で陰性になっても
大丈夫ということを保証するものではありません。

2.自覚症状があり、陽性と出た場合
富山県においては、陽性の結果が出た場合は
近医を受診せずに、県の受診相談センターへご連絡ください。

===県受診相談センター===
 076-444-4691(24時間対応)
===============

3.抗体検査

体はウイルスが侵入してきた時に
それに対抗するために
抗体というものを作ります。

その抗体を測ることで、
過去にウイルスにかかったことが
あるかどうかがわかります。

またワクチンを接種した後に
抗体ができたかどうかを
判断する時にも使用します。

サンプルは血液です。
と言っても、
指先の一滴ほどの血液で検査可能なので、
キットを使えば自分でも採取できます。

抗体検査の注意点

1.抗体検査も使うタイミングが重要

感染から時間が経っていない
(1~2週間以内)場合や、
ウイルス感染が軽微であった場合に
は感染していたとしても
陰性になる場合があるので、
判断には注意が必要です。

2.結果が陽性ならマスクをしなくても大丈夫?

2020年7月の厚労省の報告では
2社のキットを使用した時に
両方が陽性の場合は、
100%中和抗体ができていたようですが、
片側だけ陽性の場合は21%しか
中和抗体ができていなかったということです。

ですので、
抗体検査で陽性となったからと言って
感染対策は怠らない方が良さそうです。

3.ワクチンを2回接種したけど陰性だった

現在3回目の接種が検討されていますが、
それが実施されるまでは
どうすることもできません。
感染対策をしっかり取りましょう。

4.中和抗体はいつまで効果が続くのか?

キットで陽性になったとしても、
それがどれくらいの期間維持されるかは
正確なことがいえません。


厚生労働省も
「一度新型コロナウイルスに感染した方
であっても、再度感染する可能性は
否定できないため、
引き続き適切な行動をとっていただく」

ことを推奨しています。

以上を参考にしながら
検査キットを活用いただければと思います。