『電話診療の処方箋応需マッチング事業』についての経過報告
富山市薬剤師会では日曜・祝日のコロナウイルス感染症疾患者の自宅療養について発行された処方箋と処方箋応需可能な薬局の結び付けをおこなってきました。
マッチング事業について、4月〜9月までの経過をまとめてみました。なお、事業の概要については、本HP、8/9のお知らせをご参照ください。
また、富山市内薬局に事業内容をFAX案内したものを添付します。こちらもご参照ください。
【目的】
COV自宅処方箋を円滑に応需できる体制を構築することにより、新型コロナウイルス感染症を発症して不安を感じている地域住民に確実に処方薬を提供すること
【結果】
期間:4/25 〜9/25 の日曜・祝日(5/22は除く)の正味30日
総マッチング件数:28件
総電話依頼件数(応需に至らなかった場合も含めた担当者が電話した薬局数):38件
推移を下表に示します。
マッチングは最大4件/日、平均 0.93件/日でした。
電話依頼は最大6件/日でした。
依頼がなかった日は、17日/30日でした。
マッチング薬局の内訳を下記グラフに示します。
地域支援体制加算薬局でのマッチングがほとんどでした。
その他は、地域支援体制加算薬局からの同一企業内紹介が1件と、マッチング担当者の薬局が1件です。
かかりつけが少ない理由として、医療機関側でかかりつけ薬局に直接連絡されマッチング事業自体の利用が不要だった場合があるため、があります。
つづいて、マッチングに至らなかった(電話したが応需に至らなかった)理由を列記します。
電話が繋がらない:8件
当日対応不可(営業していないため):1件
当日対応不可(レセコン入力できないため):1件
当日対応不可(勤務者遠方(富山市外)のため):1件
当日対応不可(業務多忙のため):1件
当日対応不可(所用のため):1件 当日対応不可(理由不明):2件
【考察】
すべてのマッチング依頼について、応需薬局を決めることができたことは貴重な功績であります。また、事前に市内全薬局にFAX案内したこと、マッチング担当者を、富山市薬執行部<富山市薬理事に順次拡大していったこと、担当者マニュアルを制定し逐次更新したことなどから、円滑な運用が可能となりました。
一方で、応需依頼が断られるケースがあるのが課題として残り、事業自体のアピール頻度を高めることがその解決策の一つであると考えます。
【所感・今後の展望】
薬機法改正における地域連携薬局の認定や、富山県薬剤師会HPにおける、災害や新興感染症対応可能薬局リストの公開など、有事における薬局が医薬品の供給等において果たすべき役割がクローズアップされるようになりました。一方で、本事業において、施設基準に定められているにもかかわらず、営業時間外の電話連絡が取れない薬局があった点については、特記すべき課題であると考えます。また、普段から利用している薬局での応需に難航したケースもあり、施設基準の有無にかかわらず、可能な限りのご対応をお願いしたいところです。地域住民の皆様から信頼される薬局づくりを目指し、富山市薬剤師会として、改善していけるよう取り組んで参りたいと考えます。
コロナ患者の減少に伴い、輪番制自体が9月末で中止になることが決まり、本事業も一旦保留することになります。
富山市内の薬局の皆様全員が、「地域住民の健康は自分たちが守る」という決意を新たにして頂き、本会は、その姿勢・実績を富山市民の皆様はもとより、他職種団体、行政に示していきたいと考えています。何卒、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
富山市薬剤師会 担当副会長 内田 陽一